文:佐々木恵理子
写真:タイ国政府観光庁 東京事務所 トリチョーブ・セッタポン様
――タイ国政府観光庁さんは「Amazing Thailand」でタイのPRをされておりますが、こちらのブランドが始まったのはいつからですか?
Amazing Thailandは1998年に始まりました。海外からの観光客増加を目的として、全世界に向けてタイをPRする狙いがあります。1998~1999年にアジア競技大会がタイにて開催されたことと、ラマ9世が60歳となられる記念の年ということで、観光庁がブランドを創設したことが始まりです。
――発足当初のコンセプトはどのようなものだったのですか?
コンセプトは九つありました。その中から三つほどご紹介させていただくと、
一つ目は、"Amazing shopping paradice"すなわち買い物を楽しんでいただくこと、二つ目は、"Amazing taste of thailand"果物やタイハーブなどの多彩な味を楽しんでいただくこと、三つ目は、"Amazing cultural heritage"遺跡観光を楽しんでいただくこと、などがあります。コンセプトは常にタイのまだ知られていない魅力や側面を知っていただくため、時代に合わせて新しくしています。
昨年(2016年)は乃木坂46さんを起用し、日本に向けて「こんなタイ、知らなかった」をテーマにタイの様々な場所をご紹介しました。おかげさまで、反響は大きいです。ホームページアクセスやYoutube閲覧数も伸びています。乃木坂さんには来年までご協力いただきます。
タイ観光大使の乃木坂46の写真とサインが掲示されていた
――今年2017年(取材当時)は日タイ修好130周年の節目の1年でしたが、観光庁さんが行なわれた記念事業にはどのようなものがありましたか?
上野国立博物館では「タイ~仏の国の輝き~」展や、日タイ修好130周年記念 写真コンテスト、日本と関係の深いタイ国内9県などを巡ってスタンプを集める スタンプラリーを開催しました。
出版関係ですと、総勢130人の“THAI LOVERS”(=タイ好き)が"とっておきのタイ"を紹介するガイドブック『THAI LOVERS 130』(出版:ぴあ)を出版しました。
日タイ修好 130周年記念
メディアツアーや、日タイ修好130周年記念
アユタヤ絆駅伝2017、それから日タイ修好130周年記念 研修旅行を組ませていただきました。そして、明星食品さんから日タイ修好130周年記念トムヤムスープが発売されました。
――来年(2018年)は、どのようなコンセプトでタイの魅力を発信されますか?
タイはこれまで「安い」「トラディショナル」「男性向け」といったイメージの強い観光地でしたが、最近はそのイメージが変わってきています。
来年のコンセプトは、「ラグジュアリー&ローカルエクスペリエンス」です。「ぜいたくな商品、独特の生活文化など、タイの深いところにコミットする」旅行を推進することが目的です。
タイには、人気が高いストリートフードなどの食文化があります。その他にも食文化全体をアピールすることを目的として、タイ国政府観光庁は仏ミシュラン社と共同でホテルとレストランのガイドブック、『ミシュランガイド ・バンコク2018』を発売します。タイ語と英語で発行され、アジアでは6番目の発行です。
このように、タイの贅沢な商品、独特の生活文化、タイのグルメをPRしていきます。
――タイは旅行先として人気が高いですが、実は知られていない魅力も多いのではないですか?
タイの中で人気のある旅行先としましては、首都バンコク、北部のチェンマイ県、そしてビーチリゾートが広がる東部のパタヤと南部のプーケット島、サムイ島などがあります。
しかし、仰るようにタイの魅力にはまだまだ知られていない部分が多いです。知られていない魅力をPRするため、ガイドブック『タイ12の秘宝』を2016年に作成しました。
カオキッチャクート国立公園の仏足石(写真提供:タイ国政府観光庁)
――『タイ12の秘宝』にはどのような場所が紹介されているのですか?
『タイ12の秘宝』には、12県を紹介しておりますが、チェンマイの隣の県のランパーン県では、花の馬車に乗っての古い木造の街並み観光や、美しいランパーン陶器の絵付けなどもできるタナバディー陶器博物館などがあります。
また、表紙にもなっているカオキッチャクート国立公園の仏足石は、チャンタブリー県にあります。この仏足石のある山は多くの仏教徒の信仰を集めており、ここを訪れると天国の扉に近づくことができると言われています。山に登ることができる期間も限られているため、登りたいと思っているタイ人も多いです。チャンタブリー県は、カンボジアの国境に接している県の一つで、バンコクからですと4時間程かかります。私もまだ直接訪れたことがないので、訪れたい場所の一つですね。
――最後に、セッタポン様が日本とタイの観光について考えられていることを教えて下さい
私が日本に初めて来た時は、入国審査がとても厳しかったです。パスポート以外にも様々な資料を提出する必要がありました。現在は、日本政府のタイ国民に対するビザ免除※などもあり、日本とタイの交流は活発になっています。2016年に日本からタイへ訪問した方は141万人、2017年は147万人を見込んでいます。世界単位でみると、2016年は3200万人の方がタイへいらっしゃいました。もっとタイに来ていただける方を増やすため、これからもタイの魅力を広く伝えていきます。
※タイ国民に対するビザ免除(外務省報道発表)
――ありがとうございました。タイ国政府観光庁さんが、多岐に渡ってタイ国のPRをされていることが、大変勉強になりました。タイの深い魅力を更に知っていきたいです。
写真:タイ国政府観光庁 トリチョーブ・セッタポン様(右)と佐々木(左)
(撮影:塩見克己)
タイ国政府観光庁 東京事務所
住所 | 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル南館2 |
---|---|
TEL | 03-3218-0355 |
FAX | 03-3218-0655 |
info@tattky.com | |
ホームページ | https://www.thailandtravel.or.jp/ |
※東京事務所の管轄は北海道、東北地方、石川、富山、新潟、関東地方、静岡
名古屋は大阪事務所管轄
こちらの情報は2017年12月時点のものです。